愛して、先生 ~解けた欠片

2/49
45人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
「でも、どうするの?」 「どうする、とは?」 「ずっとこのままってわけにはいかないでしょ。あなたも、藤原先生も」 「・・・別に構いません、私は」 そうだ。 どうにかする必要なんて無いんじゃないか。 なぜなら、 俺と藤原の関係だって、脅しから始まった。 あいつが俺を無理やり犯して、撮って、 それを餌に何度も俺を抱いた。 その関係が今、自然消滅しようとしている。 いいことじゃないか。 「でも、辛そうなのよね。見ていて可哀相になっちゃう」 「そうですか?職員室ではいつもと同じように見えますが」 藤原は何事も無かったかのように振舞っている。 俺だってそうだ。 これが、俺たちの関係を解消する いいチャンスかもしれない。 「・・・あら、ごめんなさい。言葉が足りなかったわね」 「え・・・?」 「辛そうなのは・・・あなたの方よ。堀江先生」 俺、が? 「望月先生の気のせいです。だって私は、藤原先生に脅されているんですから」 「あら、そうなの?」 「ええ。関係を続けているのも、彼の持つ画像のせいです」 「そっか・・・じゃあ私の気のせいなのね。  この間の堀江先生、藤原先生に依存しているように見えたけど」 ――依存? 俺が・・・藤原に? 「・・・そんなわけ、ありません」     
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!