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少女は肩を震わせると、小さな体を更に縮こまらせた。
「あ、行ったことだけはサエズっとこーっと」
「今日はもう閉店だってさー。材料が無くなったとか、ヤバイよね」
女性は二人組のようだ。
「ねー。テイクアウトもグッズもすべて売切れだったしぃ。サエズリでリアルタイム、検索してみれば良かったぁ」
「ていうかさ、あそこの店員さん達、何気に顔面偏差値高くなかった?」
「そうそうそう! ガチイケメンでメッチャ、ウケたんですけど!」
「サエズリでも言ってる人いたわぁ。あー、インストで見た季節のパイ食べたかったぁ」
「しばらくは凄そうだし、今度はもっと早く来よ! 店内に良い匂いが残ってたし、間違いなく美味しいよ、あのお店!」
「だよねー! 行く行く! あそこのお店、サエズリとかブログやってないの?」
「後で調べてみよっかー。とりあえず、レインボトルでお茶しない?」
春の嵐のように彼女達の大きな声が近付いてきたかと思えば、そのままゴミ箱の前を素通りして去って行く。
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