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「……おい、バカ」
「ば… バッ!?か、かいちょーがバ、バカって言った!!!」
ちょっと涙ぐみながらキッと睨むと会長はわざと俺に聞こえるように溜め息ついた。
「バカにバカと言って何が悪い。そういうところがバカだと言われるんだ。……だが、そこがお前の可愛いところでもある」
「………かいちょーってば!!!俺のこと、さっきからバカにしてる!?」
「何だ。学習したのか?偉い偉い」
ぐしゃぐしゃと俺の頭を撫でる会長のせいで髪がぐしゃぐしゃに乱れる。ほんとにもうっっ!!なんの嫌がらせだこれ!!!
むっすーと膨れる俺に苦笑する会長は困ったように笑った。
「…悪かった。別にお前を泣かせるつもりはなかった。ただ… 心配なんだ。俺もこいつも…」
こいつも、のところで副会長を見遣る会長はまた俺に視線を戻した
「こいつの場合、捻くれてるからわかりくいだろうがな?こいつはこいつでお前の身を按じているんだぞ?結果的にはお前が泣いていたのを止めただろう?素直に慰められないのはこいつの性格の問題だ」
「……捻くれ者ですみませんでしたね!どうせ、私は素直じゃありませんよ。仕方ないでしょう?おバカさんが会長に泣かされていたんですから」
『どうせ、私は捻くれていますよ』ボソリと呟いて、それから俺を一瞥して呆れを含んだ溜め息を吐く。
「大体、会長はこの子に構いすぎなんですよ。あまり苛めないでやって下さい。――‥ それから、あなたも… 会長が無意味なことはしないことは知っているでしょう?
それに、会長の言うことにムキになるということはあなたも何れ色々と思うことがあるのでしょう?……そろそろ、白黒ケリをつけてはいかがですか?」
そのほうが今後のためにも良いのでは?と言ってくる副会長に… 俺は気づいたら頷いていた。
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