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「ってことは、包装紙はチョコとは関係ないってことか」
「つまり、有名なお店のチョコではない、と」
「・・・雰囲気からして、送り主さんの手作りなんじゃないですかね」
「なるほど」
気がつくと、僕たち3人は
チョコレートをひとつずつ物色していた。
妄想をプラスしながら。
「これ、チョコじゃなくてケーキだな。相当腕に自信があると見た!」
「サッカーボールのチョコ・・・サッカーをする武山さんが好きなんでしょうね」
「あ、伊波先輩へ、ですって。すごく可愛い字・・・」
「字が可愛いからって、本人も可愛いとは限らないぞ」
「失礼なこと言わないでください」
「ただいまー・・・何してんの?」
会長が帰ってきて、
この机の上にチョコが散乱している状態に驚く。
「隼人もやろうぜ!チョコインスピレーションだ」
「チョコインスピレーション?」
「このチョコの送り主さんがどんな方なのか、想像していたんです」
「ああ、なるほど」
納得したように近づいてくる会長。
手には紙袋を持っていた。
可愛いというよりは、クールで大人っぽいデザインの紙袋。
あの中身はきっと、花沢先生からのチョコなんだ。
そう思うと、なんだか気分が悪くなった。
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