キス×2

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長机を挟んで向かい合って座る。 「で、何があったんですか?昨日。」 「え?」 「桐嶋さん『K-Designの担当を依子さんに変えないと傷害罪で依子さんを訴える』って言ってましたけど。」 「え!?K-Designって神田くんの担当の設計会社だよね?何で桐嶋がそんなこと言ってくるの?」 あれ?神田くんが押し黙ってしまった。 「…質問を変えます。依子さん。桐嶋さんとプライベートで知り合いなんですか?」 「え?な、何で?」 「質問に答えてください」 「…む、昔の知り合い?」 「その最後の『?』は何なんですか?元カレですか?」 「ち、ちが…そんなんじゃなくて、同じ中学だっただけ。ほとんどしゃべったことないし。」 「…ほとんどしゃべったことないのに桐嶋さんは10年以上経って再会した依子さんのことが分かるんですか?」 「あのっ」 「いきなり肩に担いで車に乗せるんですか?」 「それはっ」 「帰り際に頬にひっかき傷つけられるようなことするんですか?」 「っ!」 「何されたんですか?」 「キ、キスされました…」
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