三国志蜀の中原制覇編(220年代

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◇  朝露が滴り重みに耐えきれなくなった葉がしなる。雫が落ちて頬を濡らした。  何だってまた外に転がってるんだか。やれやれだ。  覚醒して目を開くと葉っぱと空が視界に入った、少し首を捻ってみると野原だってことが解る。  ぽつんとひとりぼっち、見たことが無い景色だ。近所ってことはないだろことだけは解った。  上半身だけ起き上がって自分を確認してみる。ゆったりとした布の服、下は同じ素材のズボンだ。  随分と慎ましやかな衣服だな、旅館の部屋着じゃかいかって疑ってるよ。  手にしている銀色に光る金属、四角で模様が刻印されている。文字なのかもしれない。  これを手にしている理由……まあなんでもいいか。さて、どうしたものかな。  立ち上がり体をほぐす。たっただけでは何も解りはしない。  水たまりか、どれ。覗き込んでみると、二十代後半くらいだろう顔が映っている。これが自分か、若いな。  取り敢えず歩いてみるか。  あてもなく丘へと登る、近づくにつれ物音が耳にはいるような気がしてきた。丘の向こうに誰かが居るのだろう。  上までやって来て右手で後頭部をさする。 「参ったな、これは専門外だ」  石を積み上げて土を固めたであろう壁、長大な城壁という奴が見える。それを囲んで攻撃している兵士と、城壁で防戦している兵士。
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