第1話

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どうも、勇者です。 ひょんな事から勇者になってしまった俺だったが、どうにかこうにか魔王城へとたどり着いた。 襲い掛かる罠や魔物を乗り越えて、なんとか魔王が待つ扉の前まで来ることができた。 この先に魔王がいるのか……。 強大な魔力に多少気圧されながらも、俺は覚悟を決め、その扉を開け―― 第1話 最終決戦!勇者、魔王に挑む! ガンッ 「痛っ」 扉を開けると何かにぶつかったような音が聞こえた。 扉の前に誰かいたのか? ……って、扉の奥にいるってことは、まさか…!? 「……」 ヤバい絶対魔王だ!! すごい形相で俺のこと睨み付けてきてるし、魔力でかいし!! なんで扉の前にいたのかは知らないけど、これってヤバイんじゃないのか!? ……いやいや、ちょっと待てよ俺。 いよいよ魔王との戦いなのにこんな感じになってパニックになってたのかもしれないが、 まず、俺は魔王を倒しに来たんだろ? ヤバいも何も無いだろ。 確かにすごい睨んでるし魔力でかいしちょっと怖いけど、俺はあいつを倒しに来たんだ。 思ってた感じとちょっと違うけど、ここで決着を着けてやる! 「……テメェ、何して「魔王、覚悟ーっ!!」はぁ?」 俺の最大威力の斬撃を避けた……!? さ、さすが魔王だ、今までの魔物とは全然違う! 「だけど、負けるものか…!俺は必ずお前を倒して見せる!!」 「……テメェ、何を勘違いしてんだ?オレは…」 魔王が何か言っているみたいだ。 だけど、今さら命乞いしたって無駄だ! これ以上世界を闇に染めさせるものか!! 魔王を倒して、この世界を平和に戻してみせる!! 「喰らえ!!エターナル・エクリプス!!!」 呪文を唱えると、聖剣を伝い、最大威力の魔法が飛び出し、あたりは眩い光に包まれる。 この魔法は光属性! 全ての闇属性の魔物にダメージを与える魔法だ! 俺のような人間や、闇属性以外の魔物には効果は無いが、闇属性の魔物には無数の剣で刺されているような痛みを感じるらしい。 闇属性の魔王も、これでかなりのダメージを与えられるはずだ!! 「……チッ、ダークネス・ホール」 小さな声と共に、突如円形の闇が現れる。 その闇に俺が放ったエターナル・エクリプスが吸い込まれていった。 ……って、はぁ!?なんで!? 魔王は闇属性のはずだろ!? 闇属性の魔物はエターナル・エクリプスが発動している間、動けないはずじゃ……
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