第1章 小動物は対象外

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「お前、昨夜ここに泊まってたの?いつの間に?」 俺が帰宅したのは深夜零時過ぎ。翌日は碌に研究も進められないってわかってたからできる範囲ぎりぎりまで済ませておきたかった。でも絶対遅刻できない予定だし、ここ数日研究室で泊まり込みが続いてて身体も充分休めてないからあまりに睡眠不足のままだとポカするのも怖い。何よりちゃんと風呂に入ってまともな服装に着替えないと。そう思って帰宅してからよれよれの頭で寝る前に何とかLINEして、眞名実にモーニングコールを頼んだつもりだったんだけど。 『そっち行って直接起こすよ。だってリュウ電話だと絶対途中で通話切るじゃん。眠ったまま。前には電源落とされたこともあったし。結局駆けつける羽目になるのが返って面倒。鍵開けて勝手に入るから、気にしないで朝まで熟睡してなよ』 『助かる。ありがと』 それだけかろうじて返信して、気絶するように寝入ってしまった。 それからさっき起こされるまでもう全く何の記憶もない。当然誰かが家に入ってきた物音や気配なんか気づくはずもないけど。てか不用心か。でも、合鍵持ってるのなんかこいつだけだ、不本意なことに。今は特定の彼女もいない。     
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