3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
三十日月《みそかづき》
あのね、私はいじわるなの
わざとあなたの前でくちづけをした繊月の夜
気づいてほしかった
私を見てほしかったの
好きよ
好きよ
柔らかな胸に噛みついて
私の肩にもっとしがみついて
私を感じて
私そのままを
愛してほしいの
そう願って
愛を交わし十六夜月
あの日から
私に触れていいのかとまどうあなたが
愛しい
そのままでいいの
そのままで
いいじゃない周りがなんと言おうとも
好きなんだもの
今夜は三十日月
暗闇が私たちを隠してくれる
だから
同じ胸のふくらみに触れても
指先を絡めても
くちづけを交わしても
誰にも見つからないわ
最初のコメントを投稿しよう!