シンデレラ編

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 ある日のこと、街々に御触れの掲示板が立ちました。 ---------------------------------------------------------------- WANTED 右の者、舞踏会にてテロ行為に及んだ不届き者なり。 捕らえた者・情報提供し逮捕に協力しただけでも一億Z$を支給する。 特徴(とくちょう) 白いドレスの女と、バイクに乗った男のふたり組み。 連絡先 新警備主任ディック ---------------------------------------------------------------- 「よぉ! シンデレラ! 俺達、有名人だぜ!」  料理中のシンデレラのところに、指名手配の似顔絵の描かれた紙を持ったパンプキンヘッドがやって来て言いました。 「大声出すなよ、唾が鍋に入るだろ」  そして指名手配の紙を見て吐き捨てます。 「流石は悪徳王子、悪役が板についてるね。似顔絵も全然似てないじゃん! またとっちめられたいのかよ! あの性悪王子め」  パンプキンヘッドが自慢のかぼちゃヘルメット越しに鍋のパンプキンシチューをつまみ食いしながら、「どうやって?」と尋ねました。 「どうやってって? こうやって!」シンデレラは持っていたオタマを振り回します。 「ならいい考えがある」そういうとパンプキンヘッドがいやらしい微笑を浮かべ、悪巧みをはじめました。
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