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肩に頭を載せると、安心感からか自然とあくびが出た。
このまま目を閉じたら、もう一眠りしてしまいそうだ。
この眠気を真空パックしておいて、必要な時に取り出せたらいいのに、といつも思う。
「念のため聞くけどさ」
「ん?」
「学校の屋上から飛んだっていうのは……実体験?」
芽衣は声を上げて笑った。
「まさか。今回もただの夢だよ。……っていうか」
凪の顔を横目で見て、
「凪に言われたんだよ、飛べって」
「俺?」
「そう。凪も出てきたの。同じ高校の生徒だった」
「それ、いったいどんなシチュエーション?」
複雑な表情の凪に、芽衣は夢の内容を語った。
屋上に締め出され、不思議な男子生徒に出会ったこと。
名前が凪といって、彼も宇宙が好きで、そして本当の凪よりも少しだけ意地悪だったこと。
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