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「ああ、こっちは気にせずにしっかりとお姉さんと話をしてくるといい。最後って訳ではないけど、当分会えなくなるだろうし。」
凌馬とミウに言われて、ナディはエイリーナの居る部屋へと向かっていった。
「さあ、今日は久しぶりにパパと二人きりだね。」
「うん、パパ絵本読んで?」
ミウが取り出した本を手に取ると、「もちろん。」と答えてカイとソラを連れて寝室へと向かう。
その日は、夜通しでナディとエイリーナはこれまでの事やお互いにスレ違いな気持ちを埋めるように話をしていた。
日付も変わり夜もすっかり更けた頃。
「だからいい? 男を上手く乗せて誘導するにはね───。」
なんの話をしているのやら。
「姉さん、もうわかったから。そんなに色々知ってるのなら自分もやればいいのに・・・、もういい年なんだから───。」
ぼそぼそと小声で囁いたナディだったが、それを聞き流すことはなかったエイリーナ。
「あら~? 随分と生意気な口を聞くようになったじゃない。昔は私の後を付いてきていた泣き虫ナディが、男ができた余裕なのかしら?」
ギュー!
「ねえさん、被害妄想ですよ。そんなこと思ってません。」
ナディはエイリーナの攻撃から逃れると、距離を取る。
「まったく───。」
『うふふ、あははは!』
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