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呆れたようにエイリーナが言うと、何だかおかしくなってナディとエイリーナはどちらからともなく笑い合っていた。
「ナディ、ごめんなさいね。」
「もう、姉さん。その話はもう終わったでしょ。それに、私も姉さんにちゃんと相談もせずに決めてしまったし、その事で色々苦しめてしまってごめんなさい。」
お互いに謝る二人。
「でも、そのお陰で私は凌馬さんやミウちゃんに出会えました。もう、自分の命を軽んじようとは思わないけど、この出会いだけは神に感謝しています。」
ナディの言葉に、エイリーナはナディを抱き締めると昔したように頭を撫でていた。
ナディも子供の頃に戻ったように、ただ目を閉じてされるがままにしていた。
そうして、時間だけがゆっくりと流れていった。
そして、夜が明けるとナディはここで暮らす最後の一日は終わりを告げたのだった。
・アナザーストーリー
─馬車での旅のとある夜の様子─
「さあ、ミウ。もうそろそろ寝る時間だよ。」
「はーい。」
凌馬がアニメを見ているミウにそう声をかけると、ミウはテレビを消して寝室へと向かう。
寝室にはキングサイズを超えるベッドが一つ用意されていた。
基本はこのベッドでミウを間に挟んで、凌馬とナディ、足元の方ではカイとソラが寝そべる様にして寝ている。
「カイ、ソラ。また明日ね。おやすみ。」
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