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「ねえねえパパ」
「ん?」
7歳のミユは暗い顔で、リビングのソファに腰掛ける父親に話しかけた。
「ながれ星が消えるまえに3回お願いごとをくり返せたら、お願いは叶うんだよ。って学校の友だちにいったら、そんなことで叶うわけない。っていわれた」
ミユは今にも泣き出しそうだ。
「パパ、いったよね?それでお願いごとは叶う。って。ウソだったの?パパ、ミユにウソついたの?」
「……ミユ、おいで」
父親はミユを抱き上げ、膝の上にのせた。
「嘘じゃないよ。流れ星って一瞬で消えちゃうだろう?いつ来るかも分からないその一瞬の間に、3回もそのお願いを言えるなんて、すごいことだ。それぐらい思いが強ければ、きっとその願いは叶うよ」
「もし叶わなかったら?」
「そのときは、ミユにはもっと叶えるべき願いがあるってことじゃないかな」
「そっかぁ……。じゃあこないだのお願いは叶わないのかなぁ……」
ミユは足をバタバタと動かした。
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