川又 玄一

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「あれー? こっちの方からさえちゃんの声が聞こえたぷりねー。」 「!?」 「!?」 草子か追いついてきた様だ。 私達はとっさに道を外れ、茂みの中へ隠れた。 「おーい。さえちゃん! 出でオイデー。 一緒にぷりっぷりしましょうよー。」 ひっ!? 思わず身がすくむ。 「ぷりぃー?どこかなぁ?」 今私達のすぐ側を草子が歩いているのがわかる。 もう…駄目かな? 「ぷりぃー。」 男が怯え座り込む私をぎゅっと包み込むように抱きしめる。 「ぷりゃー!!!」 「ぷりゃー!!!」 もうダメかと思った瞬間、下の方から別の奴らの声が聞こえる。 「あ、そっちかぁー。 待っててぷりぃー!!」 草子はさらに下へと走り去っていった。 「はぁー。 助かった様だ。」 「うん。あ……。 ちょっと………。」 「ん?わっ!? ごめんなさい!」 いつまでぎゅっと抱きしめたままのつもりよ! と思いながらも、今の現状だからこそだと思うけど、そこまで嫌ではなかった。 「で?あんたの名前…聞いてないんだけど。 後、もっと普通に話せない?」 「うん。癖なんだ。 この装束きるとなんつーか。 あっ!後!川又玄一って言います。」
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