青の街

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マキ「また偶然ですね、お二人の前を通りかかったときに、たまたま咳払いをするなんて・・・」 近藤「・・・・・」 横田「何か、尋問みたいですね、やな感じ・・・」 涼夏「ですね!ドラマみたいでしょ!」 横田は涼夏に視線を送ると、口を真一文字に閉じた。 マキ「何か、突っ込み過ぎちゃいましたね、すみません。」 近藤「せっかく、事件について聞きたいことがあるからって言われてきたのに・・・・」 マキ「ごめんなさい、もう少しお付き合いください、次に、被害者の太田秀治さんについてなんですけど、」 横田「太田さんですか?いい人でしたよ、紳士ですし、」 涼夏「何か、悪い噂とかはありませんでしたか?」 近藤「いいえ、とんでもない、物腰も柔らかいですし、子供達にもやさしいし、」 横田「町内会の行事や懇親会も積極的に参加していました。」 マキ「殺される動機がないってことですよね・・・・・・」 近藤「恨んでる人なんていませんよ、多分。」 マキ「わかりました。最後に一つ、長田すみれさんという方はご存知ですか?」 近藤と横田は、今までの高揚した表情から一変して、顔色を変えた。 近藤「ああ、長田さんね・・・・」 涼夏「何かお付き合いとかはあるんですか?」 近藤「付き合いも何も、あの人全然愛想が無いから・・・・」 マキ「そうですか・・・」 近藤「町内会の行事にも出ないし、ろくに挨拶もしない、」 涼夏「横田さんは何か?」 横田「私もよく知りません。こちらから挨拶しても逃げるように家に入っていくし、」 マキ「あまり知らないんですね。」 近藤「私達だけじゃないと思いますよ、あの人が他の人といるの見たことがないし、」 涼夏「そっか・・・・」 横田「あの、今回の事件と、長田さん、何か関係でもあるんですか?」 マキ「いや、実は、今回皆さんにお聞きしたいのはその事なんですよ。」 近藤「と言うと?」 マキ「私の依頼人が、今回の事件と長田さんが関わっているか調査してほしいと申していまして・・・」 横田「そんな・・・一体誰が?」 涼夏「それは、守秘義務です。」 マキは涼夏を見て何回か頷いた。 近藤「そうですよね。」 涼夏「ドラマみたいでしょ!」 マキは再び涼夏の胸を小突いた。 涼夏「失礼・・・ところで、皆さんは、お付き合いは長いんですか?」 涼夏と近藤達が談笑している間、マキは居間を見 回した。
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