2 前途多難

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しかし、支店の指定棚を覚えていないのが、ネックだった。 しかも、やっと半分が仕訳けられたと思った頃には、 もう社内便の閉め時間である3時半目前。 そのギリギリの時間に、怒涛の勢いで各部署から届けられる書類や荷物。 まぁ、自分だって駆け込みで社内便手配をしたことは数々あるし、 文句は言えないのは分かる。 だがお蔭で、仕分ける荷物は、 あっという間に、振り出しの量へと戻ってしまった。 そして追い打ちが、これ。 「もっとスピードアップしてくれ。 4時から梱包を始めないと、5時の集荷に間に合わなくなる」 必死に仕分けをする未波に向かって、 あの無愛想エースが、ぶっきらぼうに言ってくる。 しかも、文句を言ったその傍から勝俣に声をかけ、 未波を手伝うように指示した後の言葉にカチンときた。
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