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それでも俺が警察官になる道を選んだ理由はただひとつ。
あの日、楓を壊した人物を、俺の父親を貶めた人物を、
……そして原沢佳奈に消せない恐怖を植え付けた人物が誰だったのかを知りたかったからだ。
「明日の月曜日からはSAKURAシステム開発に出向して、デジタル・フォレンジックの講習会です。
ノンキャリアで対策室に配属された部下も何人か参加しますから、行動を慎まれた方が良いかと思います」
「…………」
「まだ勤務時間ではないので、少し仮眠して来ます」
そう言って斉木さんは、静かにドアを閉めて出て行った。
再び静寂が戻ったデスクで、俺はひとつ深いため息をついてから封筒を見つめた。
もしもここに犯人に繋がる証拠がなかったら。
ここまでたどり着くための俺の努力は水の泡となる。
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