桜の花びらたち

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桂斗は弟を見上げて、自分の色づいた唇をぺろりと舌で舐めた。 ヤバい・・・薬を盛られたとはいえ艶っぽ過ぎる。 「どうした」 「なんだか・・・全然お仕置きになんねぇな」 「お前の言うとおりにしてやっているだろう?」 「俺がアンタに好き勝手されてるみたいじゃん」 「お前が望んだことだ」 「今度は俺が好き勝手する」 ソファから立ち上がり床に座っていた兄を立たせてひょいと姫抱きしてベッドに連れていく。 「ふわふわするな」 いつもなら姫抱きなんてしようものならぶん殴られるわ、蹴りを入れられるわ大暴れなのに今日は肩にもたれかかってきてしなだれかかる。 『可愛い・・・』 彼の額にキスを落とす。それでも抵抗はなかった。 「ねぇ、そんなに俺を欲しいって思ってくれてるのになんで今まで拒否してたんだよ」 「・・・・うっせぇな・・・」 そこは触れてほしくない部分なのか。 この人はお酒が入ったりすると完全防備の鎧がはがれる。たぶんこの素直でかわいいところが本当の桂斗なんだろう。それを極道の、それも日本一の組長という重い鎧で隠しているのだ。 昔、自分が見ていた彼はもっと真っすぐで感情を表に出す熱い男だった。今はほとんど表情を変えることなく淡々として仕事にあたっている。自分の前でもまったく鉄面皮のままで表情も薄いのが気になっていた。自分がガキのせいで彼が鎧を脱げないのだとよく落ち込んだものだ。 ベッドにつくと姫は王子を押し倒して上にのしかかって来た。そして物欲しそうにぺろりと理玖の唇を舐める。まるでごちそうを仕留めた豹のような獰猛さだ。 「また襲われるのはオレ?」 「焦らすな。すぐに欲しいんだ」 「なんなんだよ、その溢れる性欲は。今までどうしてたの?どっかで発散してた?」 「お前じゃあるまいし・・・・。俺はお前としか寝ないから溜まってるんだろうが」 「は?それ、どういう事?」 「うるせぇ・・・・早く挿れろ!」 とにかくガツガツと迫ってくる男らしさ・・・・もう降参するしかない。 桂斗は馬乗りになった弟のバスローブの紐を引き抜いて首に腕を回してきた。開けた裾から雄々しく立ち上がったものが晒される。 「もうデカくなってる」 「あのねぇ、アンタが散々煽ったんでしょうが」 「煽ってねぇ」 「ふぅ・・・・敵わないな。自分で墜ちてきてよ」 兄は自分の秘部に弟の熱を宛がうと息をふぅーっと吐きながら腰を落としてくる。
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