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翌日の夜。
「なあ草太、返答次第で俺はお前を川に突き落とそうと思うんだけどさ。」
昨日も飲みに行ったんだからいいだろ、と渋る草太を強引に居酒屋に連れてきた長内は、席に着くなり言う。
「なんだよ急に。」
「心当たりないのか?」
「ん、ああ。」
何かしたっけ、と草太は行動を振り返るが、特に思い当たることもなかった。
「そうかそうか。じゃあお前じゃないのかなぁ。」
「何が?」
「いや、ほのかちゃん帰りに挨拶したんだけどさ、めっちゃ泣きそうだったから。」
「焼津さんが?今日は現場もキツくなかったはずなんだけどな。」
心当たりが全くない。
翌々日草太は川に突き落とされるが、その時まで自分がほのかにそっけなくあたっていたことで彼女にあらぬ心配を与えていたと気づかず長内を呆れさせた。
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