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裸でずっとベッドにいた。
裸で抱き合ってた。
「………史也さん、悩み言ってもいい?」
「何?」
「学校の事。………さすがに行かないとマズイと思うんだけど、………学校にはやっぱり行けないかも。あの刺された瞬間は………思い出したくないな」
「当然だよね。………辞める?」
「勉強いっぱいしたからもったいないかな?」
「転校する?」
「………学校行かせてくれたの、親だから相談してみる……」
「そうだね。その方がいいよ。………無理に行こうとはしないで。深雪ちゃん、変に真面目だから無理矢理行きそうで怖いかも」
「うん。昔の私なら親に申し訳ないから無理にでも行こうって思ったかもしれない。……けど、自分の気持ち、心を大事にしたい。だから無理しないよ」
「………うん。自分を大事にして。俺が大事にしていきたい人だから」
「………めちゃくちゃ照れる!」
「本当に。深雪ちゃんが俺を大事に思うのよくわかったけど、自己犠牲とか、本当にやめて!俺が情けないの嫌ってくらい思い知らされたから」
…………そっか。そうだね。史也さんを大事にし過ぎて自分はどうでもいいとか前は考えてたな。
でも、私も大事にされる存在なら、自分も大事にしなきゃな。
2人でずっと一緒にいるなら、自分も大事にしなきゃいけなかったんだね。
ふと思って聞いた。
「ね、遥香さんはどうなったの?」
「………いろいろ後悔してた。『望まない結婚しか先がなくて、逆恨みした』って言ってたよ。それから深雪ちゃんに『許されるはずはないけど謝りたい。2度も彼女から大切なモノを奪ってしまった』って」
「2度?」
「俺との時と遠藤くんの時」
「あ、そうか…………遥香さんの罠から始まったんだもんね」
「会ってみる?」
「………ううん。会わない。……会ったらいろんな事思うの嫌だから。……もう前に進みたいの。会うとしたら………もう振り返っても大丈夫になってからかな?」
本音。自分で立ち上がって、自分を大事にできるようになってからしか会いたくない。
やっと笑って前向けたばかりだから。
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