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最後には、レミジオが遣いとしてきた。
今までの従者同様に、拒まれるかと思いきや蔦は玄関の扉を避け彼を通した。
奏がナムル寝室にもするりと入りこみ、眠りに着いている奏に近づいた。
レミジオは、以前会った時よりも鋭い銀色の瞳と髪の色になっていた。
「お約束通り……」
そう一言言うと、茨と蔦がすぅっと奏の姿を現せた。
「まっ、まってくれ!!」
一郎の止める声も聞かず、レミジオは奏をベッドから抱きあげ、すがる父親を振り払って去っていった。
あの細身の体躯に、どれだけの力があったのだろうか? 想像以上の力だった。
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