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ガッツポーズをとる奴、安堵する奴、落ち込む奴、顔色ひとつ変えない奴。
生徒各々で様々な表情が見られた中間テスト。
その答案用紙の返却や順位の発表が済まされると、校内の雰囲気は自然と次の学校行事の文化祭へと移っていった。
弁当タイムを終えて昼休みもわずか。
その話題は、小倉さんが所属する女子グループも例外ではなく。
「クラスの出し物どうする?」
一人がテーマを掲げると、グループ内はあっという間に黄色い声で賑わった。
「お化け屋敷……だと演劇部と被っちゃうか」
「ちゃんと調べ学習とも関連してないといけないしね」
「じゃあ、カフェとかは?
地元の野菜とかフルーツとか名産品調べて、それ使ったメニューにしたりとか……どうかな?」
小倉さんが提案すると「いいじゃんそれ!」と同意の声が聞こえた。
(カフェ店員な小倉さんか……うん……うん、いいじゃんそれ!)
徹太が担任に呼び出され、その間教室で暇をもて余す俺。
聞こえてきた小倉さんのグループの会話に、内心こっそり加わってみる。
俺の脳内でみるみる映像化されたのは、真っ白なフリルのエプロンを纏ったメイド喫茶風の小倉さん。
エプロンの端をつまみ、くるりと回ってこちらに向かって微笑んでいる。
シンプルなギャルソンタイプもいいけど、その場合シャツの上にはタイとか欲しいよな。
でもどっちにしても可愛いから似合う!
似合いすぎるっ!
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