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今年の春、小学校の同窓会があったんです。
企画したのはYさんで、彼女、昔からちょっと自己中っていうか、いつも自分が中心でないと気が済まないタイプの人だったんですけど。
そうそう、自分から学級委員に立候補するようなタイプでした。
でも元々そんなに包容力や人望がある人でもないから、周りはちょっと引いてるんですけど、そういう自分に逆らいそうな子には目を付けて、陰でいじめをしたりしてたんです。
だからみんな口には出さなかったけど、けっこう嫌ってた人は多くて。
とにかく目立ちたがりで、リーダーになりたがる、そんな人でした。
同窓会はちょっと良いお店で遅めのお昼を食べて、夕方から夜にかけて二次会でカラオケ、そんな予定でした。
その二次会に行く途中で、Yさんが突然、「小学校に寄って行こう」って言い出したんです。
学校で記念写真が撮りたいからって。
どこの学校にもあると思うんですけど、うちにも『七不思議』みたいなのがあって。
その中の一つに、夕方四時に校庭のトーテムポールを見たときに、自分に似た顔を見つけちゃったら、その人は死ぬ、っていうやつがあるんです。
そのトーテムポールっていうのは四本立ってて、ずいぶん昔の卒業生の卒業制作の作品で、一人一人、生徒が自分の顔をモチーフに彫ったものらしくて。
もちろん、そんなのきっと子供が考えた作り話で、それで死んだ子なんていなかったはずなんですけど。
今、顔交換アプリってあるじゃないですか。
撮った写真の、二十人くらいの顔を入れ替えられるやつとか。
Yさんが、それでみんなでトーテムポールの前に並んで、撮ってみようって言い出したんです。
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