0人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
シナリオ全文
○ 街
東京都下の外国人が多く住んでいる辺り。
若い男(俊夫)のN「小人閑居して不善をなすって言葉がある。<ちっぽけな人間が暇を持て余す
とろくなことをしないって意味だと高校の漢文の教師に習った。ほか習ったことははみんな忘れ
たが、この言葉だけどういうわけか覚えている」
○ その情景
買い物、労働などに従事するさまざまな国籍の外国人たち。
俊夫のN「あまり暇だと、ろくでもないことの方でおっかけてくるものらしい。
その頃、俺は高校を出て上京して三年目。
バイトしないで本職に打ち込むと、どんどん金がなくなっていくという妙な稼業についていた」
○ 川
が、流れている。
川を挟んで対照的な二軒のアパートが建っている。
古ぼけた、貧乏人向けのが、桑山荘。
新しい多少瀟洒な感じなのがローズハウスである。
俊夫のN「金がなくなるにつれて周囲から日本人が減り、川一つ隔てて違う国にいるようだった
○ 桑山荘
その一室が、
○ 俊夫の部屋
である。
俊夫が所在なげに寝ころんでいる。
午後の陽の光が差し込んでいる。
声高に外国語のやりとりが聞こえてくる。
半分に破かれてぶらぶらしている舞台公演のポスター。
最初のコメントを投稿しよう!