第一回 下僕

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金剛家の朝は忙しい、お父さんが新聞を片手にして、もう片方の手で焼いた食パンにお気に入りのブルベリージャムを器用につけて口に運んでいる。 ママも仕事をしているので、朝は忙しい、「今日、商談なのよね」 「どのスーツがいいと思う、パパは」 パパは「どのスーツ着ても、ママはきれいだからね」と適当な返事をしている。 ママは、「また、いい加減な返事をして」とママは少し怒っている。 お姉ちゃんはスマホをいじっていて、ママの怒りのとっばちりを受けている。 「忙しいんだから、そんなのやめなさい」 ママが怒ると手がつけられないので、二人は逃げるが勝ちと言わんばかりにさっさと出ていった。 僕が食事をつけていると、ママの怒りの矛先は僕に向かって、「宿題やっているのとか」 「冬期講習はいつから」と詰問した。 ママが「私はいくから鍵をキチンと閉めるのよ」とさっさと先に仕事先にいってしまった。 僕はさっきまでいて喧騒だった部屋でしばしの沈黙を味わったあと、猫の五右衛門に話しかけた。 「今日は日向ぼっこにいいかもな」 「二階の僕の部屋に座布団置いといたから思う存分に寝るといいよ」 五右衛門は僕に「にゃんにやん、ごーろにゃん」といった。 「そうか嬉しいか」 「お前の好きな乾燥シシャモも五匹余計においてくからな」 五右衛門は「うーにゃおう」といったきり、黙ってしまった。 この二人のやり取りを窓の外から見ていたものがいた、違う次元に住む生き物である。 姿や恰好は人間に似ているのだが、何といっても高度な知能を有している異次元の地球人である。 現在のニンゲンが1919地球人だとすると、かれらは69地球人で名付けていいだろう。 「おい、この1919地球世界では、猫が高等な役割を果たしているんじゃないか」といいだした。 69地球世界人は猫語も理解でき、猫が命令やこの世界の人間を罵倒していてこんなに酷いことを聞いても1919地球世界人が献身的に猫に献身的に尽くしているの見て、疑問に思った。 69地球世界人の一人、ミズコシが「お怖るお怖する」聞いてみた。 「失礼ですが、この世界の盟主は、どなたですか」 「もちろん、私たち猫よ」と五右衛門が得意そうにいった。 「あいつら、私たちのいっている言葉が一言も理解できないじゃない」 「私は、魚が大嫌いなのよ」 「私は肉派よ」と宣わった。 .
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