2:篠藤 歩巳/引越し準備/最後の夜

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「それは、余計なお世話でしょ!それとこれと何が関係してるのよ!」 「まだ、分かんねぇの?  いつまでも、いおの味方の兄ちゃんで居れない時もあるんだよ。今回の俺は、アユさんの味方!  でも、ちゃんと、いおの幸せを思っての事。いおを幸せにできるのは、アユさん!ていうか、俺は、アユさん以外は認めない!  いいか、いお。急に決まった話じゃないし、ましてや、何も考えずに決めた話でもない。いおの気持ちを無視したのは、兄ちゃんも、お袋も、親父も悪いと思ってる。勿論、アユさんも思ってる。  でも、こうでもしなきゃ、お前は、ちゃんとアユさんを見ようともしないだろ。全てが、急に決まった事。そうじゃなきゃ、いおはどこまでも逃げるだろ。それが解ってるから、こんな風にしかできなかったんだよ。  皆、いおが幸せになって欲しい一心なんだよ。」    それって結局、どういうことなんだろうか?  私が課長と結婚すれば幸せになれるとか、騙すようなやり方をしないと、私が課長に見向きもしないとか、まるで、課長が私を...。     
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