きっと未来や人生が終わってから一番

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きっと未来や人生が終わってから一番

目覚めるとそこは、会社の屋上階段の踊り場だった。 小さな会社だから、忘年会は屋上でやる。 そして、この屋上の扉の先には、片想いのコウタさんがいる。 彼は、誰にでも優しい人。 関連会社に引き抜かれた彼は、東京に引っ越す。 何故か私は、今日が彼に会える最後の日な気がした。 いや違う…、未来か人生が終わってから 私は何度もここに戻って来ていて、 この扉を開けれないまま…。 私はここまで来た道を思い起こす――… 賑やかな冬の街 彩られた硝子に霞む 冴えない私 頭も心ももう あなたは夢で会う人だと思いかけてるよ 夢では あの日のまま 名前呼んでくれたり 俯く私が 微笑う場所探してくれたり アイス買って来てくれたり 大変なこと山積みで 明日も分からず 凍える毎日 だけどここは夢じゃない まだあなたに会える 最後の冬の中… きっと 未来や 人生が終わってから 一番戻りたい時は 夢じゃなく 今なんだろうな あなたの気持ち 分からず彷徨っていても まだ あなたに会える 笑顔の私でいこう
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