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言われなくても分かってますよ。
さて、件のラスティアンはまたもやカニ型だが、前回の超巨大毛ガニと違ってそのサイズはかなり小さい。
適当に見積もっても中型犬程にさえ体躯で劣り、その気になれば両手で掴んで持ち上げられそうなくらいだ。
色は背中が黒っぽいが、その他の全体が鮮やかな赤色の殻で覆われていて、ずんぐりとしていた毛ガニよりもハサミや脚が長め。
黄褐色を敷き詰めたこの景色において、赤は非常に良く目立つ。
「メツェンさん下がって!」
尻餅をついたまま後ずさりするメツェンさんとカニの間に、俺は立ちはだかった。
カニは特に何をするワケでもなく、緩慢な動作で落ち葉を踏みゆっくりとカニ歩きをしている。
その鮮やかな赤を見て、俺は真っ赤で有名なサンタクロースの衣装を連想した。
俺もクリスマス前後の日にはサンタコスしますし。
勿論女装ね。
所でさ、俺ってこんなヒーロー的キャラだったっけ?
そりゃあクラス2のAAだけども、元々は単なる引きこもり女装レイヤーなんだよね。
これも恋の為せる業か。
女の子は恋をすると綺麗になるって言うけど、男の子はどうなんだろうね。
女装男子な俺がどっちに転がるかは……分からん。
「この小ささなら、テューマリウムを探さなくても簡単に倒せるわ!」
「そうなんですか?」
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