カニの大移動

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カニの大移動

メツェンさんのアドバイスに従い、俺はカニのラスティアンを蹴飛ばすはずだった、 しかしAAの対ラスティアン能力は何故か働かず、カニの甲羅で足を痛める結果に終わった。 無様にのたうち回る俺を見たメツェンさんは、これが非常事態だと察してくれたらしく、俺の手を取って無理矢理起き上がらせ、一緒に走ってその場から逃げ出した。 AAとして戦えないのなら、ラスティアンからは逃走一択だ。 「一体全体、どうしちゃったのよシツちゃん!」 「俺にも分かりませんよ!」 幸いな事に、俺達は森の深くにまでは入っていなかった。 昨日ゾデと来た時は、今日よりももっと奥に進んでいたな。 あのカニは鈍足っぽかったし、これならとりあえず安全は確保できそうだ。 「AAが力を無くすなんて聞いた事無いわよ!」 「魔力切れかも知れません!」 「ええっ?」 俺の隣を走るメツェンさんが俺の顔を見た。 こんな時にあれだが、彼女はやっぱりとても綺麗な眼をしている。 激しく揺れている胸を鑑賞するのは、流石に自重しておこう。
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