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「うーん、だけど」
彼女役に指名されたのは分かったけど、引き受けたとは言っていない。
「お……俺はアンタじゃなきゃ、ダメなんだから。
この責任とれよな」
そう言う風人の瞳は真剣で、そのまなざしになぜか胸がキュンとなってしまった。
「そ、そんなこと言われても……」
本気なのだろうか?
風人との様々な思い出が蘇ってきた。
最初の頃のツンケンした風人、補習の為に風人の家に行った時の事、華道展での風人、体育祭の時の事、花火大会での風人……。
あの風人が明里の事を……?
信じられないが、本当に?
どう返すか迷っていると
「フウ、お話し中のところ悪いけど、そろそろ変わってくれる?」
パートナーチェンジのタイミングになったようだ。
「明里ニャン、次は僕と踊ってね」
光大が手を差し伸べている。
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