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ガチャ。
「ただいま、音翔?」
クラッカーは鳴らなかった。
音翔の姿もない。
リビングから陽気なクリスマスソングと一緒に笑い声が漏れて来る。
羽庭君が来ているのか?
期待したお出迎えがなかったのはそのせいだろう、ポールハンガーにコートや上着やネクタイまで外して掛けてからリビングのドアを開ける。
「音翔。帰ったよ、羽庭君もいるのかい?注文しておいたケーキと……は?」
努めて明るく発した声がドスの効いた地声に変わる。
ソファでイケメンのサンタに襲われている弟を発見したのだ。
つづく!
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