~side義経(義兄)~

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しかし、折角家族ができたのにデパート勤務で責任ある立場の両親も俺も仕事ばかりで、一家団欒は元旦まで無理そうだ。 今日だって日曜日のイブだというのに音翔と一緒にいられなかった。 幸いお隣りの羽庭さんの息子が音翔と同じ高校で何かと世話をやいてくれるし、慣れない道も一緒に通学してくれている。 まぁ、音翔の天使の笑顔を一度向けられたら、誰だってまた笑って欲しくなるだろう。 「クリスマスの飾り付けをして待ってるからね」と送り出してくれた音翔の笑顔を思い出しながら玄関へと急ぐ。 埴輪が見えなくなったので、きっとドアを開けると「MerryX'mas!」とクラッカーが鳴るに違いない。
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