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「オメェの判断は正しい。犯人を捕まえるために新たな犠牲を出したら、意味がねぇと俺も思うぜ。ヒドウが追跡した痕跡を消すために、すでに『96』の処理班を旧都港街道に向かわせている。この位置データで見ると、そこへ5分以内に到着するだろう。先に現状を俺から連絡しておくから、そいつらが来たら合流、撤収して帰って来い」
アザミに自分の行動を肯定されたヒドウは、極度の緊張感から解放されかけたが、まだ作戦の最中なのだと気を引き締め直す。
「帰還命令ですか?しかし、それでは舞原が……今回は逃すということでしょうか?」
「この件は、急遽ゴウガミ班との合同作戦となった。オメェに連絡しようと思ったんだが、インカム切られちまってたからさ」
と、アザミの声が苦笑いに変わる。
「あ……」
ヒドウは緊急連絡を入れた際、アザミがパンツもはかずに元恋人のゴウガミと一緒にいるのだと知った瞬間、通信を完全にシャットアウトしてしまっていたことを思い出した。
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