二人のためにベルが鳴る

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2017年のクリスマスイブは日曜日である。 これは由々しき事態だ。当然、学校は休み。片思い相手の片桐君と会えない。 「片桐氏、明後日の日曜日は何をしておる?」 片桐君はウルトラセ◯ンの変身アイテムのような眼鏡をくいっとあげた。 「クリスマスイブであるから、母の炊き出しを手伝わねばならん。」 「炊き出し?」 なんと片桐家はクリスチャンらしい。 路上生活者への炊き出しは、教会の奉仕活動だという。片桐君はその路上生活者を数える仕事を任されている。 「ガチでクリスマスであるな。」 私は机にバン!と両手を突いた。 聖夜にお母さんが揚げてくれたフライドチキンは、とても美味しかった。
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