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もっとも、ガレージのシャッターは閉ざされているので、檻から出たところで外に逃げることは叶わないが。
俺は十分に猫が弱っていることを確認してから、手に持ったポリ袋の口を開ける。そこには、毛並みがぐっしょりと濡れた小さな生きた子猫が入っていた。今日、たまたま庭に入ってきていたのを捕まえたもので、先ほど水責めをして抵抗する体力を奪っていたところだ。
注目するべきはその毛並み。ポリ袋の中の子猫は、檻に捕えた成猫と同じ、白と茶色の毛だった。一目見て、親子だとわかる。
子猫はおそらく生後一年は経っていないだろう。自力で餌を得ることはできず、俺が親猫を捕えてから四日間、食い物にありつくこともできず衰弱している様子だ。水責めをしなくても、きっとろくに歩くことさえできなかっただろうが、念のためだ
俺は子猫の首を掴むと、開いた檻の扉の前へと置いた。弱弱しい鳴き声が響き、母猫はそれに反応した。そして、わずかな力を振り絞って立ち上がると、ゆっくりと子猫へと歩いて行く。
そして――子猫の首へと噛り付いた。
ガレージの中を弱弱しい悲鳴が響き渡った。決して大きくはないものの、耳をつんざくようにひどくやかましい鳴き声だった。
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