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「じゃあ化粧品は? 前にあきらにあげたら喜んだぞ」
「その辺も佳波さんはこだわりがないから。使えたら何でもいいって感じ」
私の言葉に沈黙が降りた。
なんか、私が文句ばっかり言って悪いみたいじゃない。
だって、ほんとのことだし……。
少しだけ罪悪感を感じて俯くと、お母さんは少しも気を悪くした様子がなく、言ってくれた。
「お花はどう? 生花じゃなくても、ブリザードフラワーとか色々あるし。それだったら枯れないからずっと飾っておけるわよ」
「あ、それいいかも……」
佳波さんはお花の水を替えるのを忘れてよく枯らしている。
でもお花は好きみたいだから。
まあ私はお花の水を替えたことなんて一度もないんだけど。
「お店見てみようかな……雑貨屋さんにあるかな?」
「お母さんは前ショッピングセンターで見たわよ」
「そうなんだ。じゃあショッピングセンター行ってみる。ありがとう」
その後、他愛のない話を二時間くらいして、カナにぃと一緒に家を出た。
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