5 頑張ってるトナカイさんへ

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「人のプライベートなんてのは、他人が見たらみんなどこかおかしいもんさ。  誰が何と言おうと俺は。  疲れきって帰った夜に、テーブルいっぱいの料理を並べて、ベランダに胸焼けしそうな生クリームてんこ盛りのデカイケーキを隠してたり…」  あ、バレてるや。    思った瞬間、トーコはクルリと彼の側に身体を回転させられた。   「玄関を電飾で飾りたてて、チカチカの中をコスプレで出迎えてくれるトーコちゃんに___  たまらなく癒されてる」  長い手が、ふわりとトーコを包み込んだ。 「毎日、ありがとうトーコ」 「あ…ぅ」  ああ、ダメだ。  今夜はやけに涙腺がユルんでしょうがない。  トーコはぐっと涙を堪えると、遠慮がちに彼の腰に手を回した。  アキトは、その小さな背中をそれは優しく撫でている。  遠くの教会から、イブを告げる鐘の音が聞こえいる。  その最後の響きが消えるまで、長いこと二人はそうしていた__
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