心の箱

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目の前にあるのは。 ひとつの箱。 その中に。 細い金色の輪。 空っぽだったはずの切り込みに。 愛の証が納められた。 ………空っぽ? 本当に空っぽだった? いや、違う。 箱には、いつも『篤瑠』がいた。 彼との思い出が詰まっていた。 だから、私は。 孤独にならなかったし。 支えられてきた。 誰にでも。 心の奥にしまってある箱がある。 その中には…。 何が入っているのだろう…。
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