お年玉

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お年玉

 年が明け、両親と祖父母からお年玉を貰った。  毎年貰っていたのだが、正直参考書を買うくらいしか使い途もなく…毎月のお小遣いと合わせて、それなりの金額が貯まっていた。  だが、今年は違う。  はっきり欲しい物があった。  いつまでも京子ちゃんのお兄さんに借りっぱなしじゃ悪いし…と、新年早々店に顔を出しカタログを眺める。 『あら?隼人君。とうとうキュー買うの?』  ドリンクカウンターに座り、1人カタログを眺めていると、店の受付の女性に声を掛けられた。  白石千尋さんと言う綺麗なお姉さんだ。 『はぁ…お年玉貰ったんで考えてるんですが…いつまでも借りてると、お兄さんに悪くて…でも、キューってどうやって選ぶんですか?デザインも値段もまちまちで…実際使ってみないと解りませんよね?』 『さぁ?私に聞かれても…師匠に聞いたら?もうすぐ来るだろうし♪』  師匠とは京子ちゃんのお兄さんの事なのだが…  元々、高校の同級生の平野京子ちゃんのお兄さんに憧れて、半ば無理矢理弟子入りしたのだが、はっきり言って怖い…
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