Robot SR-6

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2057年東京近郊 南部ワタル(十ニ歳)はドキドキしていた。 おじいちゃんとおばあちゃんから貰ったお年玉でお正月プレゼントが届く日だ。 日時も分かっているお昼前の十一時五十分だ。 室内時計をみると 「あと十二分後か」と分かる。 待っている時間がやりきれない。拡張現実の世界のアマゾンにチャンネルを合わせて、今の部屋をアマゾンの原生林が生い茂る環境に自分の身を置いた。 「ホゥホゥ」とか「ギャー」と泣き叫ぶ声がする。 何かの鳥だろうか 湿度が高く蒸し暑い。 何もしていなくても汗がジヮ~とでてくる。 見たことのない綺麗な色の蝶がワタルの目の前にいる。 それをさっと食む色鮮やかな小鳥 密林ではタランチュラだろうかゆっくりとゆっくりと木の上を歩いている。 ワタルの近くにこれまた色鮮やかなコガネムシがいるので触ろうとした瞬間 アマドンの配送センターから家に自動音声が届いた。 「これから弊社のドローンがそちらに荷物を届けますが、ご在宅ですか」 家の外に出て、空中をみていると八足のタコ型のヘリコプターがワタルの半分ほどの段ボールを抱えて地面まで下りてきた。 そのタコ型のロボットは今度は荷物を抱えたまま、ホーバークラフトのように空中で浮遊しワタルに「おうちはどこですか」と尋ねてくる。
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