26人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「きゃ!」
ああまた君が誰かに弾かれてる。
それにしても本当に物凄い人の出だな。
裏目黒にある不自由が丘は女子向けの雑貨屋が目白押しで、普段から閑散とすることはまずないけれどもやっぱり年始は違う。
これ幸いと肩を抱いて、君を守りつつ朝シャンのフローラルな髪の香りを肺の奥まで吸い込み、……うおおおおおおあ!
無人だったら絶対襲ってる。
「六条くんは大丈夫?」
「えっなに!?」
「ヒッ、い、いや目が、なんか凄い血走ってるから疲れてるのかなって……」
君の方こそこんなに青ざめて。貧血なのに女の子の日が近いと大変だよね。
「大丈夫大丈夫! ちょっと今朝五十匹くらいのカラスにつっつかれただけだから」
「ああ、そ……大丈夫なの!?」
「着いたね! はい、蛍光ちゃんの分」
「えっあっ、ありがっ……」
最初のコメントを投稿しよう!