浮気の発覚

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 プリント暗室は四室。ベセラー・ラッキー・オメガの伸ばし機が置いてあり、アナログ銀塩写真を愛するマニアに各暗室をレンタルしている。  モノクロはネガ現像プリント共に手現像。カラープリントはカラー現像機とインクジェット出力機が設備され、月ニ回の講習がある。しかし、会員は少なく経営状況は厳しく、西島洋介が責任者で従業員は佐藤理恵一名。 「店長、どうかしました?」  理恵が洋介が騒いでいるのに驚いて、暗室のドアをノックしている。 「な、何でもない。泉田さんはまだいるか?」  壁を叩いた拳を痛めて撫でている洋介。 「ええ、コーヒーを飲んでますけど」 「すぐに現像するから、待ってもらってくれ」 「わかりましたー」  泉田憲一はロビーの隅にあるテープルで自販機のカップコーヒーを飲みながらノートパソコンて依頼者への報告書を作っていた。 【西島佳代子と清宮慎二の不倫関係は三年前から続いていたと思われる。ホテルなどの密会は月一回から二回程度。そして清宮氏の奥様とは関係のない事ではあるが、佳代子の夫である西島洋介はこの事にはまるで気付いてない。】
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