【三行小説】お年玉で買ったアレは

お年玉で買ったアレは

　僕が昔お年玉で買ったアレは、とてもよく育ったんだ、すくすくと大きくなっていったんだ。
　だけどその「アレ」は何だったろうって、肝心なとこが思い出せないんだ、植物なのか動物なのかすら……ただ育った事実だけが頭にあるんだよ……。
　ただアレは、なんだか温かいものだった気がしてるんだ、君の……君の体温と、同じくらいだったような、君の肌と、同じ色をしていたような…………アレは……何だったろう、僕はあの時何を買って……何が育って…………アレは……。