お年玉は別れのサイン

2/12
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「はい、お年玉」 いつもの日曜日。 遅めの朝食を食べていると、妻が分厚い封筒をポンとテーブルの上に置いた。 正月はとっくに明け、七草がゆも食べ終わったこの時期に、お年玉とは。 「何、これ?」 僕は訝しい顏を持ち上げて妻を見上げた。 「だから、お年玉」 妻はそう言ったあと 「けん、慰謝料」 と、付け加えた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!