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 これ以上感じたくない。 「い……れて」  あの夜以降、望んだことはない。誠とは結果を望んでいるだけで、せずにかなうならその方が良い。 「まだ、だめだ」  冷たい声の響きに胸が苦しくなる。これは、誠の目を盗み大輝で時間を埋めていたことへの罰なのかも知れない。  暗闇の中にいてもなお隠したくて、私は腕で顔を覆った。  何が現実なのかも曖昧になる。今私に触れているのは本当に大輝なのだろうかとさえ思い始める。  体は、心を裏切っていく。  声を押し殺すことにおわれる。  大輝は私の反応をみて加減をかえてくる。そのくせに、明らかに敏感な箇所にはまだ、一切触れてこなかった。背中も、骨盤のとがった場所も、擽られるのに近い感覚が走る。逃げ出したくてもできずに、ただ、シーツを掴んで堪えた。  大輝の手が胸に触れた。指先が先端をかすめる。  思わず声がもれる。  もう一方に、大輝の熱い息がかかった。触れているのか確信がもてないほどのなのに、肩のあたりから力が抜けてしまうほど、感じた。
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