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「無理しない方がいい」
パークは諭すように言うが、氷見野は彼らに背を向けて輪から離れる。
「斎藤司令官。聞こえますか? チャペルトン周辺の地形情報と戦地の分布図、それから……」
「おい、勝手な真似されるとこっちが困るんだよ!」
オルビアは氷見野の態度に苦言を呈する。
「足手まといだって言ってんのが分かんないのか!?」
オルビアは氷見野に詰め寄り、氷見野の正面に回る。
「心配なのは分かるよ。でも、もしテメェの行動でウチの仲間が死んだら、いくら女王だろうとタダじゃおかねえ」
ラピと長妻、パークは一触即発の雰囲気に困惑する。
「負傷して動けない私を助けようとした仲間が死んだらってこと?」
氷見野はオルビアの威圧に動じず、冷たい視線を注ぐ。
「そうだ」
「なら、私が負傷しても助けなくていい。そう伝えて」
そう言い切る氷見野の言動はオルビアを動揺させた。
死ぬことをいとわないとする氷見野だったが、斎藤司令官は内心支持できず、口を閉ざしていた。
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