お年玉のガーニー

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お年玉のガーニー

≪明日、空いてる?≫  怜央から、LINEが届いたのは、1月1日の朝だった。  布団から手だけ出し、同じ部屋のお姉ちゃんに気付かれないよう、アプリ画面を開く。 ≪今日も、空いてるよ≫  送信して、枕に顔をうずめる。  この前のクリスマスから、私たちは付き合っている。  もうすぐ私たちは中3になる。春からは勉強で忙しくなるから、この冬休み中にデートしよう、と約束していた。  会いたいな。今日じゃダメかな、と思っていると、またLINEが届く。 ≪ごめん、今日は大宮≫  そうだった。はあっと、ため息がでる。大みそかと今日は、大宮に住むお婆ちゃんの家に行くって言ってた。 ≪あいたい≫  点滅するカーソル。  送信は押せない。  めんどくさいと思われたくないし、断われたら悲しいし。 「楓……いま何時」  お姉ちゃんが、2段ベッドの下からつぶやく。 「おはよ。6時半」  むくり、と起き上がる気配がした。きっと水を飲みに行ったのだろう。 ≪明日の朝9時に、おまえんち行く≫  OK、のスタンプは、笑顔で跳ねるウサギのイラストだ。私の気持ちを表すのに、足りているような、足りていないような。  お姉ちゃんが戻ってきて、あけましておめでとう、と言った。私はわざと寝息を立てる。たぶん、顔が赤くなっていたから。
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