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瑞生はすべてのことに対応できるから、みな頼ってしまう。
近寄りがたい空気を、つねに纏っている瑞生。
だが、仕事の質問や相談には真摯に答えてくれるし、的確なアドバイスをくれる。
そうやって面倒くさそうな顔をせず、きちんと向き合ってくれるから、瑞生はみんなからの信頼が厚い。
口調は淡々としているし駄目なことは駄目だと言い、冷たく切り捨てることだってある。
でも、みんなから「あいつは冷たいやつだ」とか、「調子に乗っている」だとか、反感を買ったりはしていない。
それはきっと、瑞生が誰よりも仕事に対してプライドを持ち、やらなければいけないこと以上のものを、しているからだ。
「天宮くん、すまない。今日の十四時なんだが、B会議室に今からメールで送る資料と、お茶出しを八名分お願いしてもいいか?」
「はい! かしこまりました」
来訪者対応が終わり戻ってきていた瑞生は、席に着いたまま優奈にお願いする。
彼のデスクにはたんまりとチェック資料が溜まっており、大変そうなのに普通の顔をしてこなしていく瑞生を見て、優奈は眉を下げた。
――あんなに業務があるのに、突然十四時に会議が入ってしまったんだ。
瑞生であれば、きっとそれくらいのことはどうでもなくて、あまり残業せずに終わらせられる。
そうわかっていても心配してしまい、だからこそ優奈は自分が今できる瑞生のサポートを、一生懸命やろうと思った。
もともと、優奈は一生懸命やっているのだが。
瑞生のサポートに、自分のもともとの業務。
優奈だって充分忙しくて大変なのだが、これぐらいなんてことないと、てきぱき動いて誰にも頼らずさばいていく。
こういったところは、本当にそっくりである。
そうやって仕事をしていたからか、お昼休憩の時間まであっという間であり、優奈は瑞生とコンビニでお弁当を買ってきていた。
「本当に、コンビニでよかったんですか?」
「ああ、別にいい。……レストランだと、他にもひとがいるだろう?」
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