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「じゃあ、本人が払うか弁護人に頼むしかないね。あのふたり、親は当てに出来ないから」
「さやかの家は、親との折り合いが悪いんだよね?」
多恵がサラダを取り分けながら、思い出したように呟く。
「うん。健の家もそう。
あの子は親に捨てられて、お祖母ちゃんに育てられたから。そのお祖母ちゃんも亡くなってるし」
「……家庭環境が悪かったのかな」
眉を落とす優香に、菜摘が少し厳しい顔で首を横に振った。
「どんな家庭環境であっても、どう言う人間になるかは自分次第だよ。
さやかも健くんも、もう善悪の判断が出来る大人なんだから。犯罪は自己責任でしょ。変に同情して甘やかしてたら本人のためにはならないよ」
「……そうだよね」
多恵から受け取ったサラダをつついて優香が頷く。
「でも、さやかちゃん、これからどうなるのかな」
「保釈されたら、在宅起訴か示談だね。起訴されたら、初犯だし執行猶予がつくかも」
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